新幹線は他の鉄道路線とは異なり、かなり速いスピードで走るようになっており、そのための技術も開発されています。

路線の大部分で時速200㎞を超える速度を出しているため、在来線とは全く異なる技術が導入され、速度だけでなく乗り心地や安全面でも非常に高い水準で開発されています。

まず新幹線の路線は、在来線とは別に新規で建設した路線を使用し、「新幹線鉄道構造規則」に従ってつくられた設備の構造によって、フル規格で運行されています。

路線にはカーブが存在している箇所があり、そこでは曲率半径を大きくしてできる限り直線を確保し、脱線防止ガードを設置することで安全に走れるようにしています。

高速走行の妨げになることから、勾配に関しては最急勾配を15%までにしていますが、用地や地形の関係で規定以上の勾配が必要な場合は特別認可のかたちで設置されています。

新幹線では事故防止のために様々な設計が行われており、自動車との衝突事故を防止するために踏切を一切設けておりません。

線路内に一般の人が立ち入らないようにするため、全線立体交差としており、列車の運行妨害等の罰則は新幹線特例法で在来線より厳しくなっています。

通過列車との接触事故を防ぐため、プラットホームに可動ゲート付きの安全柵が設置され、また通過線と待機線を分けることもされています。

新幹線の乗り心地や安全性、騒音対策などについて考え、路線のレールや分岐器(ポイント)にはそれらを実現するために様々な工夫がなされています。

レールには継ぎ目の数を減らしたロングレールを使用し、東北新幹線のいわて沼宮内~八戸間では国内最長の約60㎞にも及ぶ、スーパーロングレールが使用されています。

分岐器には、通過時の振動が少ない弾性分岐器と、レール交差部の欠線部を埋めるノーズ可動クロッシングを使用しています。

分岐器に関しては、高崎駅北方にある上越新幹線と北陸新幹線の分岐で、分岐側を時速160㎞で通過できる国内最高水準で最長の分岐器が設置されています。

新幹線の駅と駅の間の距離は、中距離または長距離の輸送を目的としていることから、在来線より長く30~40㎞と間隔がとられています。

地上装置と車上装置からなる自動列車制御装置が備えられており、必要に応じて自動的にブレーキができるようになっており、速度制限を超えようとした時に作動します。

新幹線では高速運行を実現させるために、緊急時に他の列車を迅速に停車させられるように、在来線とは異なる列車防護装置が備えられています。

車両側に保護接地スイッチが装備され、緊急時に押すことによって他の列車を自動的に停止させることができます。

線路側には列車防護スイッチが設置されてあり、これを押すことで信号の回路を停止させることができ、新幹線の安全性が維持されます。

新幹線の路線では、在来線の路線でも走行できるように作られたミニ新幹線があり、在来線でも新幹線の乗り入れができるようにするフリーゲージトレインの開発も進められています。