高速鉄道の技術は、日本・フランス・ドイツがその技術力が高く、各国内で展開するだけでなく世界各国に売り込みを行っています。

海外の高速鉄道において、日本に近い場所での高速鉄道として韓国高速鉄道(KTX)があり、韓国国内で路線が展開されています。

車両などのシステムはフランスのTGVの技術を導入しており、営業運転での最高速度は時速305㎞となっています。

1990年に事業計画とその路線が確定し、1992年から工事が進められ、約2兆円といわれる事業費をかけて2004年に暫定開業しました。

当初はソウル~釜山間の京釜線の高速化を目的に「京釜高速鉄道」として進められてきましたが、湖南高速線も計画に入れられたことで、KTXの名称になり、韓国鉄道公社が運営しています。

KTXの営業路線は、京釜高速鉄道と湖南高速鉄道の2つに区分され、路線としては5つの系統が運行されています。

京釜高速鉄道はまず京釜線系統があり、ソウル~釜山間を走る系統で、高速線のみが走る系統と水原経由・亀浦経由の在来線直通系統に分けられます。

慶全線系統は2010年から運行されており、ソウル~馬山間を運行し、数本で晋州まで直通する系統で、京釜高速線や在来線を経由・直通するルートとなっています。

東海線系統は2015年から運行されており、ソウル~浦項間を運行する系統で、京釜高速線や在来線を経由して走行しています。

湖南高速鉄道にはまず湖南線系統があり、龍山~木浦間を走行する系統で、高速線を走る系統と西大田経由の在来線と直通運転する系統に分けられます。

全羅線系統は2011年から運行されており、龍山~麗水エキスポ間を走行する系統で、龍山~益山間で高速線を経由する系統と西大田経由の在来線を直通運転する系統に分けられます。

2004年の暫定開業時は、京釜高速鉄道はソウル・龍山~釜山間、湖南高速鉄道はソウル・龍山~光州・木浦間で開業しています。

現在の系統では、ソウル・龍山から京義線など入出庫線を利用して運行する幸信乗り入れ、仁川国際空港鉄道直通の仁川空港乗り入れが1日数本限定で運行されています。

KTXの営業車両は、自動車内放送では韓国語・英語・中国語・日本語の順に放送され、始終着駅や主要駅では乗り換え案内も放送されています。

開業当初からKTX-Iが運行されており、列車は20両編成で動力集中方式を採用し、TGV車両よりも車両構体を強化しています。

2010年からはKTX-山川が運行を開始し、従来のKTXで得られた技術的なデータや利用客からの声を反映させ、シートピッチを拡大した回転式リクライニングシートの導入など、乗客の不満を解消しています。

2015年からはKTX_山川が導入され、湖南高速線や首都圏高速線が開通したことに合わせて、KTX-山川をベースに騒音の低減や座席数の増加などの改良を行いました。

所要時間に関しては、ソウル~釜山間の京釜高速線においては、両駅間を2時間15分で移動できるようになっています。