日本のミニ新幹線は東北地方で2路線あり、秋田新幹線と並んでミニ新幹線として活用されている路線として、山形新幹線があります。

山形新幹線は、ミニ新幹線形式により福島駅から山形駅を経て新庄駅まで行くことができる、奥羽本線を走行する路線です。

東北新幹線の東京~福島間で直通運転が行われているので、その区間を含めて「山形新幹線」と考えられ、山形新幹線として案内されることもあります。

1992年に、全国新幹線鉄道整備法に基づかない新在直通運転によるミニ新幹線として開業し、営業区間のほとんどが山形県内にあることから、「山形新幹線」と呼ばれています。

正式には在来線である奥羽本線の一部区間であり、踏切があったり時速130㎞を超える速度での安全設備が未整備であったりすることから、在来線とみなされています。

1981年に国体が山形県で開催されることが決まったことで、それに合わせて交通体系の整備を進めるために、山形新幹線の計画が浮上しました。

フランスの高速鉄道・TGVをヒントにミニ新幹線として計画が進められ、スキーのメッカである蔵王に新幹線を乗り入れることを目標に進められます。

奥羽本線の改良工事を進め、国鉄民営化後はJR東日本がその事業を引き継ぎ、国の補助金を受けて着工が行われ、国体開催を前に1992年7月に開業しました。

1993年からは新庄延伸が進められ、県や沿線市町村、民間企業の協力によって計画が進められ、1997年から着工され、1999年に山形~新庄間が開業しました。

列車の運行形態は、東北新幹線内では仙台駅発着の「やまびこ」と併結して走行し、朝と夜の一部列車を除いてこのかたちで運行されています。

東北新幹線内の停車駅は「やまびこ」に合わせて、東京・上野・大宮・宇都宮・郡山・福島に停車し、列車によっては通過する駅もあります。

福島駅での連結・切り離しは、上り・下りともに14番線で行われ、連結や切り離しに関しては少し手間がかかり、ダイヤ改正時には綿密な計算が求められています。

山形新幹線の線路では地域輸送のために普通列車も走行していることから、地域輸送に関しては「山形線」と呼ばれています。

山形新幹線では「つばさ」という列車が運行され、列車にはE3系が使用され、1000番台7両編成・2000番台7両編成・700番台6両編成が使用されています。

過去には400系の車両も使用されており、新型車両の導入により本数が減らされ、2010年には400系の営業運転が終了しました。

車内環境は、普通車で指定席が4両、自由席が2両、グリーン車が1両連結されており、すべて禁煙車となっているので車内での喫煙はできません。

福島駅から新庄駅までには、山形駅を経由するかたちで路線が通っており、米沢・天童・村山などの県内の主要地域を訪れることもできます。

山形新幹線の特急券に関しては、東北新幹線との乗り継ぎ料金制度があり、通しで利用しやすくなっています。